多くの人はTikTokを使用していると思います。
そんなTikTokでみなさんの好きなアーティストの曲が聴けなくなっているということをご存知でしょうか?
今年の2月2日にユニバーサルミュージックグループ(以降UMG)が『TikTokとの契約に関するお知らせ』という内容の記事を公式サイトに投稿されました。
内容は、2024年の1月31日を期限としていた契約の更新が至らず、多くのアーティストの楽曲がTikTokで使用不可になる旨を伝えたものでした。
では、UMGはなぜTikTokとの契約を更新しなかったのでしょうか?
紹介していきます。
UMGがあげる3つの問題点
UMGはTikTokとの契約更新の交渉過程を通じて、以下の3つの課題について対処をするように提案をしました。
- アーティストとソングライターへの適切な報酬
- AIの有害な影響からの人間のアーティストを守ること
- TikTokユーザーのオンライン上の安全性
しかしながら、UMGはTikTokはこれらの問題に対する姿勢に改善が見られないとし、TikTokとの契約を終了するという判断に至りました。
特に1つ目の「アーティストとソングライターへの適切な報酬」、2つ目の「AIの有害な影響からの人間のアーティストを守ること」について詳しく述べられていたので見ていきましょう。
アーティストとソングライターへの適切な報酬
UMGによると、TikTokは楽曲提供をしてるアーティストに対して適切な報酬が支払われていないことを公表しました。
現在、アーティストやソングライターにTikTokから支払われる報酬がいかに少ないかを示すものとして、TikTokの膨大なユーザー数や広告収入の急増、音楽を活用したコンテンツへの依存度が高まっているにもかかわらず、私たちの総収入のわずか1%程度に過ぎないのです。
つまり、TikTokは音楽に正当な対価を支払うことなく、音楽をベースにしたビジネスを構築しようとしているのです。
引用元:UMG公式サイト『TikTokとの契約に関するお知らせ』
また、TikTokはUMG所属のアーティストたちの急成長を反映しない取引を押し付け、受け入れさせようとしたとのことです。
TikTokは、プラットフォーム上で世界的なスターの楽曲を優遇しながら、キャリア途上のアーティストの楽曲を削除する手法を使っています。
UMGは、TikTokがプラットフォームの力を利用し、弱い立場のアーティストを傷つけ、彼らの音楽の価値を過小評価しようとしていると判断しました。
AIの有害な影響からの人間のアーティストを守ること
「AIの有害な影響からの人間のアーティストを守ること」に関しては、UMGはTikTokがAI音楽を推進し、アーティストの印税を減らす契約条件を要求していると認識しているようです。
AIに関しては、TikTokはAIが作成した音源でプラットフォームが溢れることを容認し、プラットフォーム自体でもAIによる音楽制作を可能にし、促進・奨励するツールを開発しています。そしてこのコンテンツが人間のアーティスト向けの印税を大幅に縮小できる契約上の権利を要求しており、これはAlによるアーティストの置き換えを支援する動きにほかなりません。
引用元:UMG公式サイト『TikTokとの契約に関するお知らせ』
これらの課題についてTikTok側に適切な対処が施されていないということから、UMGはTikTokにおいて所属するアーティストの楽曲の使用を認めない方向で進んでいるとのことです。
UMG撤退によってTikTokで楽曲が使用できなくなる有名アーティストは?
UMGは世界的な音楽会社で日本国内外問わず多くのアーティストの音楽を所有しています。
なんと世界の音楽の31%を所有しているとのことです。
日本国内だと、
- 宇多田ヒカル
- SEKAI NO OWARI
- 藤井風
- Ado
- 宇多田ヒカル
- Mrs. GREEN APPLE
などなど他にも多くのアーティストの楽曲を所有しています。
国外でも
- テイラー・スウィフト
- BTS
- アリアナ・グランデ
- ドレイク
- メタリカ
- オリビア・ロドリゴ
などといったアーティストの音楽を所有していおり、現在TikTokでこれらの楽曲が使用されている動画については音楽を消されている状態とのことです。
UMGのアーティスト一覧はこちら
今後はどうなっていくのか
残念ながら、TikTok側からもUMG側からも今後について楽曲復活についての声明は出されていないため、しばらくの間はUMGが所有している楽曲をTikTokで聴くことはできません。
しかし、TikTok側からアーティストに対する適切な報酬の支払い、AIによるアーティストの権利侵害に関して改善の姿勢を見せれば、状況が変わり再び有名アーティストの楽曲がTikTokで聴くことができるようになるかもしれません。
そうなることを期待しましょう。